印刷会社から「A4サイズの原稿は2894×4093pxで入稿してください」と言われて、面食らったことはないでしょうか。 一方で、社内資料用のA4画像は794×1123pxで十分と言われることもあります。 同じ「A4」なのに数字がバラバラなのは、画像の解像度(dpi)によってピクセル数が変わるからです。 この記事では、A4をはじめとする主要な用紙サイズのmm⇔px換算表と、印刷用・画面用でdpiを使い分ける考え方を整理します。
A4サイズは何ピクセル? — 答えは「どのdpiで使うか」次第
A4(210mm×297mm)を例に、代表的な解像度ごとのピクセル数を並べてみます。
| 解像度 | A4のピクセル数 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 72dpi | 595×842px | 古いWeb表示規格・簡易プレビュー |
| 96dpi | 794×1123px | 画面表示・PowerPoint/Wordの標準 |
| 150dpi | 1240×1754px | 簡易印刷・社内配布資料 |
| 300dpi | 2480×3508px | 商用印刷の標準解像度 |
| 350dpi | 2894×4093px | 写真集・高精細印刷物 |
「A4 サイズ px」と検索する人の多くは、Web用途なら96dpiの794×1123px、 印刷用途なら300〜350dpiの2480×3508〜2894×4093pxを目安にすれば大きく外しません。 この解像度と数値の関係を、次の節でもう少し詳しく見ていきます。
mm→pxの換算式
用紙サイズ(mm)とピクセル数(px)は、以下の式で相互に変換できます。 1インチ=25.4mmという定義を使い、指定した解像度(dpi)を掛け合わせるだけの単純な計算です。
例えばA4の幅210mmを350dpiでピクセル換算すると、次のようになります。
逆にpxからmmに戻したいときは、式を入れ替えて mm = px ÷ dpi × 25.4 で計算します。 毎回手計算するのは面倒なので、主要な解像度でまとめて確認したい場合は用紙・画像サイズ早見表ツールを使うと、72・96・150・300・600dpiの換算結果をワンタップで切り替えて確認できます。 350dpiなど一覧にないdpiは、上の式にあてはめれば手計算で求められます。
用紙サイズ一覧(mm)— A判・B判・はがき・名刺
まずはmm単位での基本サイズを確認しておきましょう。 A判はISO 216という国際規格、B判は日本独自のJIS規格で定められています。
| 名称 | サイズ(mm) | 主な用途 |
|---|---|---|
| A3 | 297×420mm | プレゼン資料・設計図 |
| A4 | 210×297mm | コピー用紙・書類の標準 |
| A5 | 148×210mm | ノート・手帳・小冊子 |
| B4(JIS) | 257×364mm | 画用紙・新聞折り込み |
| B5(JIS) | 182×257mm(18.2×25.7cm) | 書籍・大学ノートの標準 |
| 通常はがき | 100×148mm | 年賀状・案内はがき |
| 名刺(日本標準) | 91×55mm | 日本で最も一般的な名刺サイズ |
| 長形3号封筒 | 120×235mm | A4三つ折りが入る定番封筒 |
ここでは代表的なサイズのみ抜粋しています。A0〜A10・JIS/ISO両方のB判・封筒各種・写真用紙・SNS推奨サイズ・動画解像度まで含めた全サイズは、 次の見出しで紹介する早見表ツールで一覧・検索できます。
主要用紙のdpi別ピクセル換算表
用紙サイズは同じでも、想定するdpiが変わればピクセル数はまったく違う数字になります。 よく使われる5つの用紙サイズを、72〜350dpiの5段階で一覧にしました。
| 用紙(mm) | 72dpi | 96dpi | 150dpi | 300dpi | 350dpi |
|---|---|---|---|---|---|
| A3(297×420mm) | 842×1191 | 1123×1587 | 1754×2480 | 3508×4961 | 4093×5787 |
| A4(210×297mm) | 595×842 | 794×1123 | 1240×1754 | 2480×3508 | 2894×4093 |
| A5(148×210mm) | 420×595 | 559×794 | 874×1240 | 1748×2480 | 2039×2894 |
| B5・JIS(182×257mm) | 516×729 | 688×971 | 1075×1518 | 2150×3035 | 2508×3541 |
| 通常はがき(100×148mm) | 283×420 | 378×559 | 591×874 | 1181×1748 | 1378×2039 |
| 名刺・日本標準(91×55mm) | 258×156 | 344×208 | 537×325 | 1075×650 | 1254×758 |
単位は px(幅×高さ)です。四捨五入の関係で、逆算した値と1px前後ずれる場合がありますが実用上は問題ありません。 他の用紙サイズやSNS・動画の推奨解像度も含めて確認したいときは、用紙・画像サイズ早見表ツールでdpiを切り替えるだけで同様の換算ができます。
画面用は96dpi・印刷用は300〜350dpiが基本
なぜ用途によってdpiを使い分ける必要があるのでしょうか。 理由は、画面と紙では「どれだけ近くで、どれだけ細かく見るか」が違うためです。
- 画面表示(96dpi) — パソコンやスマホの画面は一定の距離を置いて見るため、96dpi程度の密度で十分きれいに見えます。 Webサイト用の画像やPowerPointのスライドはこの解像度が基準です。
- 簡易印刷(150dpi) — 社内配布のプリント資料など、多少の粗さが許容される場面で使われます。
- 商用印刷(300dpi) — チラシ・パンフレット・名刺など、多くの印刷会社が標準として指定する解像度です。
- 高精細印刷(350dpi) — 写真集や美術印刷物など、より高い精細さが求められる印刷物で使われます。
同じ96dpiの画像をそのまま300dpi前提の印刷に使うと、ドットの粗さが目立ち「ぼやけた」「粗い」と感じる仕上がりになります。 逆に画面表示にしか使わない画像を350dpiで作るのは、ファイルサイズが無駄に大きくなるだけで見た目のメリットはありません。用途に対してdpiを合わせるのが基本です。
WordやPowerPointの用紙設定との関係
WordやPowerPointの用紙・スライドサイズは、実はmm(またはインチ)で管理されています。 Wordなら「レイアウト」タブの「サイズ」からA4・B5などを直接選択でき、 PowerPointは「デザイン」タブの「スライドのサイズ」で用紙比率を指定します。
ここに写真や図を貼り付けるとき、画像の実ピクセル数が足りないと、拡大表示された際にぼやけて見えます。 A4の資料に画面いっぱいの写真を配置するなら、少なくとも96dpi相当の794×1123px以上の画像を用意しておくと安心です。 PDFで配布する資料や、印刷を前提にした書類であれば、300dpi相当の2480×3508pxを目安にすると印刷時も鮮明に仕上がります。
貼り付ける画像のピクセル数が足りない・逆に大きすぎる場合は、画像リサイズツールで目的のピクセル数に調整できます。 複数ページのA4資料を1つのPDFにまとめたい場合は、画像→PDF変換ツールでページごとの画像をそのままA4サイズのPDFに変換できます。
まとめ
- 用紙のピクセル数は「サイズ(mm)×解像度(dpi)」で決まり、dpiが変われば同じA4でも数値は変わる
- 換算式は px = mm ÷ 25.4 × dpi(1インチ=25.4mm)
- A4は96dpiで794×1123px、300dpiで2480×3508px、350dpiで2894×4093px
- B5(JIS)は182×257mm(18.2×25.7cm)、はがきは100×148mm
- 画面用途は96dpi、商用印刷は300dpi、高精細印刷は350dpiが目安
- Word・PowerPointの用紙設定もmm管理のため、貼り付ける画像は用途に合ったピクセル数を用意する
自分でmm⇔px換算を試したいときは用紙・画像サイズ早見表ツール、画像のピクセル数を調整したいときは画像リサイズツールを使ってみてください。いずれもブラウザ内で処理が完結し、ファイルがサーバーに送信されることはありません。